黄昏に香る音色
高橋は無理やり

明日香の顎に手をやり、

顔を上げさせる。

「嫌がるなよ。みんな、喜んでしてるぜ」

高橋は、キスをしょうとする。

明日香は、必死に抵抗する。

けど、力が違いすぎる。

(もうダメ…)




明日香の頬を、涙が流れた。




「痛っ!」

突然、高橋は、明日香を離した。

高橋は頭を押さえて、蹲る。

後ろから、

頭にホウキが、思いっきり打ち込まれたのだ。

「明日香、大丈夫!」

涙をためた瞳に、

ホウキを持った里美が映った。

「里美!」

「こっちへ、明日香」

蹲る高橋の横を通り、明日香は、里美の後ろにまわった。

頭を押さえながら、高橋は里美を睨みつける。

「このブスがああ!」

「明日香に手をだしたら、許さないんだから!」

ホウキで身構える里美。

高橋は大笑いし、

「別に変なことをする訳じゃない。お前も、喜んでたことを、してやるだけだ」

その言葉に、

里美のホウキを持つ手が、震えた。

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