黄昏に香る音色
「喜んでたじゃないか。あんまり、長くつきあってやらなかったけどさ。すぐにしただろ」

里美は、ただ震えている。

唇を噛み締めて。

「軽い女の癖に。それとも何か!俺が、他の女とキスするのが、嫌か」

里美は、ホウキで殴りかかるが、

簡単にかわされる。

そして、

足をかけられて転ぶ。

「里美!」

高橋が、転んだ里美を蹴ろうとした瞬間、

「やめろ!」

渡り廊下に、滝川と浅倉が現れた。

後ろには、生徒指導の先生がいた。

「何をしている!」

先生にきかれ、

高橋は、困ったような顔をし、

「彼女が転んだから…手を、貸そうとしただけですよ」

高橋はそう言ったが…信じれるはずもなく、

一応、先生に連れて行かれた。

里美はこけたまま、

起き上がらない。

うつぶせのまま、

泣き出す。

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