黄昏に香る音色
月曜日。

夕陽に照らされながら、

明日香が、ダブルケイに入ってきた。

「おはよう。明日香ちゃん」

いつもの恵子の笑顔。

いつものコーヒー。

明日香は、自然と微笑んだ。

「啓介さんは?」

明日香は、カウンターに座る前に、キョロキョロ周りを見回した。


「今日は、啓介いないわよ。レコーディングで、泊まり込みだから」

「啓介さん、怒ってました?」

申し訳なさそうな明日香の表情に、恵子はクスッと笑い、

「大丈夫よ」


ほっと胸を撫で下ろした明日香は、コーヒーを一口飲むと、

恵子を見た。

思い詰めた表情で、ゆっくりと口を開き、

「まだ…先の話なんですけど…」

明日香は、話出した。



「あたし…。高校を卒業したら…地方の短大に、通って…1人暮らしを、しょうと思うんです…」






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