黄昏に香る音色
「和美さん!」
突然の和美の訪問に、驚く明日香。
玄関の前で、赤のワンピースを着て、微笑む和美は…以前と雰囲気が違っていた。
どこか、暖かく…柔らかい。
「よく、ここがわかりましたね。汚いところですけど、どうぞ」
六畳一間のアパート。
広くない部屋の真ん中にある…卓袱台の上には、
書きかけの歌詞と、トランペットが置いてあった。
勿論、健司のだ。
「1人なの?」
「里美は、バイトです。あたしも後で、バイトですけど」
「大変ね」
明日香に促され、和美は卓袱台の前に座る。
「すいません!散らかってて」
慌てて、明日香は卓袱台の上を整理する。
「いいのよ」
和美は笑う。
明日香は、玄関の横にある小さな台所で、お茶を入れにいく。
「今日は、どおしたんですか?あっ!アルバム買いましたよ。とてもよかったです」
明日香はお茶を持って、卓袱台に来た。
「言ってくれたら、あげたのに…」
和美は、お茶を受け取った。
「恵子ママとこには、さよならは言ったの?」
「さよならは、言ってません。いってきますだけです」
「啓介には?」
「特には…」
口をつまらせる明日香。
「バンドは、組んだみたいだけど…ボーカルはいれてないわ」
和美は明日香から、視線を外し、卓袱台の上を見た。
「歌詞を書いてるのね」
突然の和美の訪問に、驚く明日香。
玄関の前で、赤のワンピースを着て、微笑む和美は…以前と雰囲気が違っていた。
どこか、暖かく…柔らかい。
「よく、ここがわかりましたね。汚いところですけど、どうぞ」
六畳一間のアパート。
広くない部屋の真ん中にある…卓袱台の上には、
書きかけの歌詞と、トランペットが置いてあった。
勿論、健司のだ。
「1人なの?」
「里美は、バイトです。あたしも後で、バイトですけど」
「大変ね」
明日香に促され、和美は卓袱台の前に座る。
「すいません!散らかってて」
慌てて、明日香は卓袱台の上を整理する。
「いいのよ」
和美は笑う。
明日香は、玄関の横にある小さな台所で、お茶を入れにいく。
「今日は、どおしたんですか?あっ!アルバム買いましたよ。とてもよかったです」
明日香はお茶を持って、卓袱台に来た。
「言ってくれたら、あげたのに…」
和美は、お茶を受け取った。
「恵子ママとこには、さよならは言ったの?」
「さよならは、言ってません。いってきますだけです」
「啓介には?」
「特には…」
口をつまらせる明日香。
「バンドは、組んだみたいだけど…ボーカルはいれてないわ」
和美は明日香から、視線を外し、卓袱台の上を見た。
「歌詞を書いてるのね」