黄昏に香る音色
「未来は、必ず来るものよ。誰にでもね」
和美の合図とともに、曲が始まる。
未来。
和美は歌いながら、思った。
この曲は昔、成長していく子供の為に作られた。
ならば、次はあたしが、
次の未来の為に、歌おう。
過去や、今は過ぎ去っていくけど、
未来は、永遠に続いていく。
あたしは、未来に続く歌を歌おう。
過去という思い出と、生きる今を大切にしながら、
未来に伝える歌を。
演奏が終わった後、
和美は、啓介に握手を求めた。
差し出した手を、握り返す啓介。
「ありがとう…」
和美は少し俯いた。
「どうしたんだい?お姉さん」
涙を浮かべている和美に、啓介は驚いた。
「あたし……旅に出るわ。音楽を伝える旅に…」
和美は自分から、握手を解くと、涙を拭い…啓介に笑いかけたまま、
スタジオを出た。
曲のプレイバックは、聴かなかった。
これで、やっとあたしは、未来に向けて歩き出せる。
初恋だった男。
弟とわかってからも、
あいつの音を、手をいれたかった…
男。
やっと、離れられる。
和美はスタジオから、外の廊下に出て、呟いた。
「さようなら…。あたしの初恋の…音」
和美の合図とともに、曲が始まる。
未来。
和美は歌いながら、思った。
この曲は昔、成長していく子供の為に作られた。
ならば、次はあたしが、
次の未来の為に、歌おう。
過去や、今は過ぎ去っていくけど、
未来は、永遠に続いていく。
あたしは、未来に続く歌を歌おう。
過去という思い出と、生きる今を大切にしながら、
未来に伝える歌を。
演奏が終わった後、
和美は、啓介に握手を求めた。
差し出した手を、握り返す啓介。
「ありがとう…」
和美は少し俯いた。
「どうしたんだい?お姉さん」
涙を浮かべている和美に、啓介は驚いた。
「あたし……旅に出るわ。音楽を伝える旅に…」
和美は自分から、握手を解くと、涙を拭い…啓介に笑いかけたまま、
スタジオを出た。
曲のプレイバックは、聴かなかった。
これで、やっとあたしは、未来に向けて歩き出せる。
初恋だった男。
弟とわかってからも、
あいつの音を、手をいれたかった…
男。
やっと、離れられる。
和美はスタジオから、外の廊下に出て、呟いた。
「さようなら…。あたしの初恋の…音」