黄昏に香る音色
行き交う人々を眺めながら、
紗理奈は、壁にもたれていた。
少し早く来すぎた。
昼間は、あまり動かないから、
何か…自分が浮いた存在に感じる。
夜は、あんなに着飾って歩く癖に、
昼間は、帽子を目深に被り、人並みから離れる…。
あたしはなんだろう。
夜の人間…。
言葉は、簡単に表現するけど、
されたものの気持ちなんて、考えない。
紗理奈は、落ち着こうとして、タバコを吸おうとした時、
牧村は来た。
約束の時間の10分前。
割とちゃんとしている。
二人は、すぐにCDショップへと、向かった。
駅の改札は、地下だから、
そのまま隣のビルに移動し、エレベーターに乗った。
八階にあった。
ワンフロアまるごとの店内に、紗理奈は驚いた。
安藤理恵のアルバムは、簡単に見つかった。
紗理奈は、しばらく…CDを眺めていた。
ふっと気付くと、牧村がいない。
CDを手に、
紗理奈は、牧村を探す。
いた。
ブラックミュージックコーナーに。
手に、一枚のCDを持っていた。
紗理奈は近付き、CDを覗き込んだ。
エリカバトゥの“Baduizm”
「これ買うんですか?」
紗理奈の質問に、
少し照れる牧村。
「持ってるんだけど…知り合いの子が、音楽やってるから…参考にあげようかと」
(誰にあげるの?)
と、
きくほど親しくも
興味もなかった。
二人は、それぞれ一枚のCDを買うと、
店をでて、
そのまま駅で別れた。
あっさりと。
改札を通り…じゃあと、手を振る牧村の後ろ姿を、
一瞬見送ると、
紗理奈は歩きだした。
ふと気になって、改札の向こうを振り返るけど…、
人並みの中、牧村の姿は、もう確認できなかった。
紗理奈は、壁にもたれていた。
少し早く来すぎた。
昼間は、あまり動かないから、
何か…自分が浮いた存在に感じる。
夜は、あんなに着飾って歩く癖に、
昼間は、帽子を目深に被り、人並みから離れる…。
あたしはなんだろう。
夜の人間…。
言葉は、簡単に表現するけど、
されたものの気持ちなんて、考えない。
紗理奈は、落ち着こうとして、タバコを吸おうとした時、
牧村は来た。
約束の時間の10分前。
割とちゃんとしている。
二人は、すぐにCDショップへと、向かった。
駅の改札は、地下だから、
そのまま隣のビルに移動し、エレベーターに乗った。
八階にあった。
ワンフロアまるごとの店内に、紗理奈は驚いた。
安藤理恵のアルバムは、簡単に見つかった。
紗理奈は、しばらく…CDを眺めていた。
ふっと気付くと、牧村がいない。
CDを手に、
紗理奈は、牧村を探す。
いた。
ブラックミュージックコーナーに。
手に、一枚のCDを持っていた。
紗理奈は近付き、CDを覗き込んだ。
エリカバトゥの“Baduizm”
「これ買うんですか?」
紗理奈の質問に、
少し照れる牧村。
「持ってるんだけど…知り合いの子が、音楽やってるから…参考にあげようかと」
(誰にあげるの?)
と、
きくほど親しくも
興味もなかった。
二人は、それぞれ一枚のCDを買うと、
店をでて、
そのまま駅で別れた。
あっさりと。
改札を通り…じゃあと、手を振る牧村の後ろ姿を、
一瞬見送ると、
紗理奈は歩きだした。
ふと気になって、改札の向こうを振り返るけど…、
人並みの中、牧村の姿は、もう確認できなかった。