黄昏に香る音色
紗理奈は、ビールを飲み干すと、

「ごちそうさま」

お金をカウンターに置いて、でていこうとする。

慌てて、

「多いです。お釣りの方を」

お釣りを、返そうとするマスター。

紗理奈は、満面の笑みを浮かべ、

「いらない。向こうのお客さんにでも、一杯おごるわ」


「ラッキー!」

お客が手を振る。



店を出た紗理奈は、大笑いした。

馬鹿みたい。





昨日のことが気になり、

優一は、紗理奈の携帯に電話した…

が通じなかった。

何か…気にさわることをしたのだろうか。

明日香と話し過ぎて、あまり紗理奈を話さなかったから…

(…だよな)

連れてこられて、退屈だよな。

いろいろ反省していると、優一の携帯が、

いきなり鳴った。

緊張しながらでると、

淡々とした紗理奈の声が、きこえてきた。

「あたし。彼氏できたから、もう二人で、会えないから」

それだけ言うと、

電話は切れた。

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