黄昏に香る音色
「この国は、自由の国だ。しかし!誰もが、自由になれることはない。お前達…黄色に、自由があると自惚れないことだ」
男は、体を震わせた。
和美は、席を立った。
「あたしの色は、ナチュラル。黄色ではないわ」
男の震えが、強くなる。
「ジャップが…言葉で言っても…わからないようだな」
和美が、背をむけて歩き出すのと、
男が、立ち上がるのは、
同時だった。
バンド仲間が気づき、男に飛びかかったが、
遅かった。
凄まじい銃声が、店内に轟き、
その後、
悲鳴があがった。
後ろから、打たれたのだ。
即死だった。
享年25歳。
もうすぐ誕生日だった。
真紅の歌姫といわれ、世界を飛び回った歌手は、
母と同じ国で、
命を落とすことになった。
赤い血に染まり、
倒れる和美は、
散った…花びらのようだった。
と、目撃者は後に語った。
しかし、
それは自ら…散ったのではなく、
無残にも、むしりとられたのだ。
赤き宿命とともに、散った花びらは、
もう…
美しく咲くことはない。
記憶の中でしか…。
男は、体を震わせた。
和美は、席を立った。
「あたしの色は、ナチュラル。黄色ではないわ」
男の震えが、強くなる。
「ジャップが…言葉で言っても…わからないようだな」
和美が、背をむけて歩き出すのと、
男が、立ち上がるのは、
同時だった。
バンド仲間が気づき、男に飛びかかったが、
遅かった。
凄まじい銃声が、店内に轟き、
その後、
悲鳴があがった。
後ろから、打たれたのだ。
即死だった。
享年25歳。
もうすぐ誕生日だった。
真紅の歌姫といわれ、世界を飛び回った歌手は、
母と同じ国で、
命を落とすことになった。
赤い血に染まり、
倒れる和美は、
散った…花びらのようだった。
と、目撃者は後に語った。
しかし、
それは自ら…散ったのではなく、
無残にも、むしりとられたのだ。
赤き宿命とともに、散った花びらは、
もう…
美しく咲くことはない。
記憶の中でしか…。