黄昏に香る音色
それから思わず、明日香は声を荒げた。

今、

言わなくちゃ…いけない気がした。

「あ、あたしはここから、グラウンドを見て、サッカーの動きから、リズム感を養ってるだけです!」

「リズム感…」

そう呟くと、少年は何やら考え込んで、しばらくして微笑んだ。

「リズム感…だったら…サッカーはいいね」

少年の優しく温和な笑みに、

何だか…明日香も自然と、笑顔になった。

そんな自分が、恥ずかしくって…

視線を外した明日香。

それを見て、少年も視線を外した。

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