黄昏に香る音色
日差しが眩しくなり、

紗理奈は、ベットから抜け出そうとしたけど、

隣で、寝ている男が邪魔だった。

足で、思いっ切りどかす。

裸の男が、ベットから落ちた。

ベットから起き上がると、

紗理奈も裸だった。

セックスはいい…没頭してると、嫌なことが忘れられる。

だけど、今回は空っぽにならなかった。

体が汚れてる気がしたけど…それでいいと、

紗理奈は、Tシャツを着た。

空気を変えようと、おもむろにテレビを付けた。

ニュースが流れる。



和美が殺されたと…。

グラミー賞を取った5日後のことだった。

犯人は、ミュージシャンだった。

最近、某有名バンドを首になっていた。

それにより、

自分は、仕事がなくなったのに、

日本人の和美が、活躍していることが、

許せなかったのだ。


紗理奈は、テレビの画面を見つめ…しばらく動けなくなった。


すると、裸の男は、立ち上がり、

後ろから、紗理奈を抱きしめた。

「へえ〜殺されたんだあ。まあ、別に、俺には関係ないけど。勝手に、死んどけって感じ」

男は、さらに絡みついてくる。

「なあ〜もう一回やろうぜ」

キスしょうとする男を、

紗理奈は振りほどくと、

「出ていけ!」

紗理奈は、裸の男を力ずくで、外に出した。

服を投げつけると、ドアを閉めた。


紗理奈は、茫然自失になり、ベットに倒れ込んだ。



あの日。

煌びやかな照明の中で、歌う和美に憧れ、

せめて、あの場所に立ちたいと、

手を延ばしてきたのに…

もう届かない。

あたしは、どこに向かえばいいの…。




教えて…


ゆう。


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