黄昏に香る音色
「明日香!いるんでしょ」
痺れを切らした里美が、階段を駆け上がってくるのが、音でわかった。
グラウンドから、直接渡り廊下にのびる階段は、南館への出入り口のすぐ、そばにある。
息を切らしながら、上がってきた里美の姿を認めて、
明日香は慌てて、妙に取り乱す。
「ご、ごめんなさい!ちょっと、話し込んじゃって…」
里美は、キョトンとした。
「誰と?」
「誰って…後ろにいる…」
明日香は、振り返った。
だけど、
そこには、誰もいなかった。
「階段上がる時から、見てたけど…あんた、1人しか見えなかったけど」
里美の言葉に、明日香は絶句した。
さっきまで、ゆうがいた場所。
今はただ…
沈みかけた夕陽が、照らしているだけだった。
痺れを切らした里美が、階段を駆け上がってくるのが、音でわかった。
グラウンドから、直接渡り廊下にのびる階段は、南館への出入り口のすぐ、そばにある。
息を切らしながら、上がってきた里美の姿を認めて、
明日香は慌てて、妙に取り乱す。
「ご、ごめんなさい!ちょっと、話し込んじゃって…」
里美は、キョトンとした。
「誰と?」
「誰って…後ろにいる…」
明日香は、振り返った。
だけど、
そこには、誰もいなかった。
「階段上がる時から、見てたけど…あんた、1人しか見えなかったけど」
里美の言葉に、明日香は絶句した。
さっきまで、ゆうがいた場所。
今はただ…
沈みかけた夕陽が、照らしているだけだった。