黄昏に香る音色
明日香ちゃん…。

あなたがもし、この手紙を読んでるんでしたら、

あたしはもう…この世にはいないんでしょうね。

本当は、あなたが帰ってきた時、

あたしの口で伝えたかったんだけど…。

明日香ちゃん。

いつもありがとう。

あなたに出会ってから、4年近くたつわね。

初めて会った日。

あなたが、トランペットを吹いた日。

泣きながら店に来た日…。

あの時は困ったわ。

初めて、あなたが歌った日。

すべてを覚えています。


あたしね。

明日香ちゃん…。

ずっとあなたのファンだったのよ。

たぶん…あなたのファン第一号。

啓介より早いわよ。

世界中のあなたのファンに、言いたいわ。

あたしが、明日香ちゃんの1番最初のファンだって。

自慢したい。

自慢の娘だと。


ごめんね。

勝手に、娘だと思っていたわ。

たぶん、向こうの世界では、まだ知られてないわね。

向こうにいったら、あたしの娘は凄いんだって、自慢してやるんだから。

そう思うと、向こうに行くのも楽しみね。


いつまでも、まっすぐに素直なあなたの歌を、聴かせてちょうだい。

いつまでも、あたしはあなたのファン。

あたしの自慢。

あなたの歌を大切に。

歌うことを大切に。

いつまでも、あなたはあたしの自慢…。

あなたに会えて、幸せだったわ。

ありがとうね。

明日香ちゃん。



追伸。

啓介をよろしくね。

あいつが、ひどいことをしたら、化けてでも、説教してやるからね。
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