黄昏に香る音色
別に、愛想が悪い訳でもなく、

逆に、面倒見がよい恵子は、

女子高に通っていたが、人気があり、初めてラブレターを貰うも、そこで経験した。

モデルでもしない。

と、町を歩いていたら、

声をかけられたこともあった。

コンパにもよく、誘われていた。

女の子は、恵子がいると安心できたし、

男は、恵子を落とそうと必死になった。

そんな時、タバコだった。

あまりにも、様になっている姿は、

男には、容易に近寄り難かった。




恵子が、短大に通うようになったある日。

いつもの土曜日のコンパ。


「ちょっと、変わった所があるんだ。少し高いけど…ボトル入れてるから」

コンパの主催者が、二軒目に連れてきたところ。

大きな木造の装飾が、施された扉を開けると、

飛び込んできた…

生音。


「うわあ〜おしゃれ」

恵子の友達が、感激の声を上げた。

世の中、打ち込みが流行っていたけど、

女を口説く店として、

こういう店が、老舗以外にもできていた。

雰囲気の音楽。

時代遅れとなったジャズや、オールディーズを演奏する店。

恵子達は、あいたばかりのステージ近くに通された。
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