黄昏に香る音色
「いつ、アメリカにくるんだ?みんな、待ってるぞ。アルバムだけだしやがって…たまには、顔をだしやがれ」

明日香は店前で、ダブルケイの看板を眺めた。

日差しの照り返しで、キラキラ輝いていた。

「もうすぐいくわ!家族みんなで」

「そうか」

サミーの笑い声で、電話は切れた。

明日香は、空を見上げた。

(それが運命なら…)


逃げずに、真っ直ぐ歩いていたら…

必ずたどり着くはず。



中から扉が開いて、

啓介が出てきた。

「おかえり」

「ただいま」

少し照れくさい。

啓介が手をのばす。

明日香がつかむ。

ぎゅと力強く。

二人は手を繋いだまま…ダブルケイの中に入った。


明日香は思った。

ずっとこの手を離さずにいよう。

ずっとこの店で。

ずっといっしょに…。






黄昏に香る音色

明日香編

完。

そして、音は次の世代へ。
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