黄昏に香る音色
もしかしたら、

あたしが、泣かせたのかもしれない。

恋なんて、

わからないから。

もしかしたら、

無神経なあたしが、泣かせたのかもしれない。

里美を。

あたしは、親友の気持ちさえわからない。

人の気持ちなんて、他人にはわからないというけど、

あの涙は、あたしに向けられていた。

あたしが、泣かせたんだ。

里美を。



明日香の頬を、涙が流れた。

里美の恋する気持ちは、わからないけど、

友達が悲しんで、それを理解してあげれない自分。

愚かな自分はわかった。

明日香は涙を拭いながら、決意した。

せめて…誤解だけは解こうと。


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