黄昏に香る音色
何事もなく、
放課後を迎えた。
里美は…
用があるらしく、先に帰ると一言告げると、そそくさと教室を後にした。
麻理亜達は…
やはり、昨日…職員室で、何か言われたらしい。
時折、明日香を睨んでいたけど…直接は、何も言ってこなかった。
麻里亜達なんて、どうでもよかった。
ただ出ていく時の、里美の様子だけが、少し気になった。
でも、あまり気にし過ぎても、仕方がない。
明日香は気を取り直し、教科書を鞄に詰め込むと、
教室を飛び出し、走り出した。
渡り廊下へ。
ただ無性に、会いたかった。
(会いたい!ゆうに!)
こんなに、人に会いたくなるなんて、初めてだ。
この気持ち…
何かはわからないけど。
そう…明日香にはまだ、
それが何なのか…これまで経験したのない湧き上がる気持ちを、説明することが、できずにいた。
それはまだ、痛みも悲しさも伴っていない…始まりなのだから。
放課後を迎えた。
里美は…
用があるらしく、先に帰ると一言告げると、そそくさと教室を後にした。
麻理亜達は…
やはり、昨日…職員室で、何か言われたらしい。
時折、明日香を睨んでいたけど…直接は、何も言ってこなかった。
麻里亜達なんて、どうでもよかった。
ただ出ていく時の、里美の様子だけが、少し気になった。
でも、あまり気にし過ぎても、仕方がない。
明日香は気を取り直し、教科書を鞄に詰め込むと、
教室を飛び出し、走り出した。
渡り廊下へ。
ただ無性に、会いたかった。
(会いたい!ゆうに!)
こんなに、人に会いたくなるなんて、初めてだ。
この気持ち…
何かはわからないけど。
そう…明日香にはまだ、
それが何なのか…これまで経験したのない湧き上がる気持ちを、説明することが、できずにいた。
それはまだ、痛みも悲しさも伴っていない…始まりなのだから。