黄昏に香る音色
明日香が、わかったことは…

わからないことばかりと、いうこと。

自分の心さえも…。

そうだ。

ゆうにきいてみよう。

あたしが、音楽をやってると言ったら、

何て言うだろうか。


あたしが、

愛や恋が、わからないと言ったら…

あなたは…、

何とこたえるのだろうか。

明日香は、自分の願うこたえを、口にするゆうを想像し、

赤くなった。

妄想は自由だ。

しばらくして、妄想が落ち着くと、

明日香は、現実に戻り…大きな溜め息をついた。

「会いたいな…」

誰もいないベンチで、ぽつんと呟き、

明日香は早く、放課後になることを願った。


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