黄昏に香る音色
傘をさしながら、正門で待つ里美。
次々に、帰っていく生徒達を、見送る里美の顔はどこか暗い。
「ごめん。お待たせ」
高橋が、ゆっくりと歩いてやって来た。
里美の顔が、笑顔になる。
「あたしも今、来たところだから」
笑顔の里美を、一度見ただけで…高橋は、周りを見回し、誰を探す。
「高橋くん?」
訝しげに、里美は高橋を見た。
高橋は、里美の表情なんて気にしない。
「あれ?香月くんは?」
高橋の言葉に、里美の表情が曇る。
「え?…明日香は、いないけど…。今日から、高橋くんと一緒に帰るから…」
里美の言葉に、今度は、高橋の表情が、変わる。
「いつものところか…」
高橋は振り返り、学校内を睨んだ。
「高橋くん?」
高橋は、拳を握り締めながらも、
作った笑顔を、里美に向けた。
「あっ、ごめん。いこうか」
2人は、歩きだした。
高橋はもう…校内を、振り返ることはなかったけど、
里美を、見ることもなかった。
ただ前方を、睨みながら、駅までの道を歩いた。
次々に、帰っていく生徒達を、見送る里美の顔はどこか暗い。
「ごめん。お待たせ」
高橋が、ゆっくりと歩いてやって来た。
里美の顔が、笑顔になる。
「あたしも今、来たところだから」
笑顔の里美を、一度見ただけで…高橋は、周りを見回し、誰を探す。
「高橋くん?」
訝しげに、里美は高橋を見た。
高橋は、里美の表情なんて気にしない。
「あれ?香月くんは?」
高橋の言葉に、里美の表情が曇る。
「え?…明日香は、いないけど…。今日から、高橋くんと一緒に帰るから…」
里美の言葉に、今度は、高橋の表情が、変わる。
「いつものところか…」
高橋は振り返り、学校内を睨んだ。
「高橋くん?」
高橋は、拳を握り締めながらも、
作った笑顔を、里美に向けた。
「あっ、ごめん。いこうか」
2人は、歩きだした。
高橋はもう…校内を、振り返ることはなかったけど、
里美を、見ることもなかった。
ただ前方を、睨みながら、駅までの道を歩いた。