ヒミツの恋【短編集】
けれど決して自分から話し掛けてこない
うるさくきゃあきゃあ騒ぐような事はしない…
俺が追い回されてると知ってるから?



何も話さなくても気兼ねしない…
落ち着ける空間、真由美の気遣い…




真由美が図書の仕事をしてる時は俺がずっと真由美を見ているようになっていた…





そんな日々が続いて…漸く…真由美が俺に近づいてくれた…






傷んだ俺の髪をそっと触って…





『綺麗な髪ね…』






柔らかく…言葉を紡ぐ…心地よい声質…




優しい手…





俺は思い切って告白をしていた。





真由美が俺の側に居てくれたら、いつでも…どこでも…穏やかに時間が過ぎていくんだって思ってた。





けれど、真由美は条件を出して来た…







――秘密に付き合うならいい――





付き合って…穏やかな時間が流れるのは…結局放課後の図書室だけだった…
< 114 / 218 >

この作品をシェア

pagetop