ヒミツの恋【短編集】
それからは信じられないほど、静かになった俺の周り。





効果てきめんだったんだ!と嬉しさを隠しきれない俺は放課後が待ち遠しくて仕方がなかった。






今日は学校を出ても真由美といられる…





ふたりで放課後、人目を気にせず歩けるんだ。






そう思うと嬉しくて、俺の頬は緩みっぱなし。





図書室であったら、真由美にネクタイ巻いてもらおうか、なんて考えたり。






舞い上がって浮かれてた俺は、人目も気にせず図書室へと足早に向かった。







図書室の前に着いた俺の背後から聞こえた、甲高い声に、背筋にヒヤッと冷たい何かが走った。






振り向いた先に立つ女…






同学年だけど…正直名前も覚えてない…






俺の中で、追い回すやつらはみんな同じに見えるから…






濃い化粧に付けすぎの香水…どんだけ巻いてるんだってくらいクルクルした長い髪…






俺は真由美のような真っすぐ綺麗な黒い髪のが断然いい…
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