ヒミツの恋【短編集】
そうして、指にはガーゼに包帯で止血され、膝は○キロンで消毒、少し擦りむいた場所に絆創膏を自分で貼る。



…おでこは、そのままだと可哀相だと体育の先生は、笑いを堪えながら、ガーゼを貼って、赤くなったおでこを隠してくれた。





『よくこんなにいっぺんに怪我なんて出来るもんだな。今後気をつけろよ!』





「…ありがとうございました。」





体育教官室へ来なければ、おでこはこんな事にならなかったんだけどな…





そう思いながら、先生にお礼を行って廊下へと出る。


『おい。』




急いで家庭科室へ戻ろうとした時、下から声が聞こえた。






体育教官室のドア横にしゃがみ込む中川君の姿。





立ち上がり、そのデカイ図体で私を見下ろす。





私のおでこを見てまた思い出したのか、今にも噴き出しそうな顔をする。
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