ヒミツの恋【短編集】
「お前みたいな…ケバイ化粧して…鼻が麻痺するような香水たっぷりの女…キライなんだよ…。吐き気がする。」






完全な八つ当たり。
ここまで言わなくてもいいのに止まらない。





真由美を傷つけたのは俺なのに…






俺が…真由美の気持ちを疑うきっかけをつくったこいつが…憎くて仕方なかった。






「…2度と近づかないでくれる?
…あと…真由美に八つ当たりするような事があったら…俺…何するかわかんないよ?
…他の子達にも…忘れず伝えとけよ?」





顔を歪めて、涙を流す姿を見ても胸が全然痛まなかった。そのまま放って立ち去る。







泣かずに笑った真由美の顔の方が痛々しくて…






真由美に一言謝りたい。







その気持ちだけが俺の中で大きく膨らんでいった。
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