ヒミツの恋【短編集】
次の日2年の教室がある棟へ向かった。





いつもなら…俺を見て色めき立つ女子達も、俺を見てわかるくらい目を逸らし、ヒソヒソと話をしてる。





…もう昨日の脅しが効いたのかな?




ホント女の情報網って怖いよ…





まあ、俺には好都合なことだけど。







そして、真由美と昨日の朝一緒にいた子を見かけて声をかけた。





「あのさ…真由美来てるかな?」






尋ねる俺に驚いた顔を見せたけど、それも一瞬で、すぐに怖い顔つきで話し始めた。






『…もう放っておいてあげて下さい。昨日の件は誤解だって先輩達もわかってくれたばかりなのに、渉先輩が来たらまた真由美が…』






「…?誤解?え?」







話が見えなくて、首を傾げた。





…この子には俺と付き合ってた事話してくれてたのかな?…けど…何かおかしな事を言ってる…





『真由美が先輩の追っかけに囲まれた件で、責任感じて謝りに来てくれたんですよね?…その気持ちも今の真由美には迷惑な事なんです。…こんな所見つかったらまた…』







辺りをキョロキョロ見渡しながら話す内容に愕然とした。
< 122 / 218 >

この作品をシェア

pagetop