ヒミツの恋【短編集】
「…囲まれたって…?」





『…だからっ!真由美が渉先輩の彼女だって誤解されて、休み時間の度に何人もの先輩に真由美問い詰められてたんですっ!
…だから謝りにきたんじゃないんですか!?
真由美の事は渉先輩が近づかなければ、もう平気です。…謝りになんて来なくていいですから…放っておいてあげて下さい!』






俺の前から逃げるように走り去るその子の後ろ姿をただ呆然と見つめてた。





そんな俺を避けるように通る2年の生徒。





俺を気まずそうに見てくるだけ…





今の話が本当の事なんだとわかり、急いで3年の棟へと戻る。





昨日のヤツがいるクラスがわからないから、手当たり次第各教室を覗くけど、見当たらない…





自分の教室へ戻ると、一緒につるんでる利幸が俺の元へとやってきた。






『はよーっす。…渉…とうとうブチ切れたんだって?女共が騒いでんぞ?』






…そんなのどうでもいいよ。俺がどう思われようと構わない。
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