ヒミツの恋【短編集】
真由美のネクタイを付けた日に奇跡が起きた…





髪の色を注意され、担任に職員室へと連れてかれた時だった。






入り口に立ちすくむ俺と、真由美…






あんなに会いたいと願った真由美が…
どんな顔を合わせていいのかわからず、会いたくても会えなかった真由美が目の前にいた。






名前を呼ぼうと口を開いた俺を見つめる瞳が揺れた。





潤んだ瞳に少し赤く染まった頬…






真由美…自惚れてもいいかな…





真由美はまだ俺の事が好きだって…自惚れても…






担任の長い説教を終えて、俺は急いで図書室へと向かった。





真由美がそこに居てくれる気がして…





俺の事…待っててくれてるんじゃないかって期待して、ドアを開けた…






…けれど真由美の姿はなかった…。






カウンターに1年らしき男子生徒がひとりつまらなさそうに携帯をいじって、俺を見る。






図書室には相変わらず夕日が差し込んでいたけれど…






なんでだろう。






とても色あせて見えた。
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