ヒミツの恋【短編集】
『なんて顔してるんだよ、…全く、裕美ちゃんは困った子だね。』






ぶすっと膨れて、女のヒトを見る私を見て、ため息混じりに言う和弘は、意地悪だ…






私が子供扱いされる事、嫌がってるの知っててわざと“裕美ちゃん”“困った子”って言うんだもん。






「子供扱いしないでっていつも言ってるのに…」






頭をポンっと叩かれて、髪をぐしゃぐしゃっとされる。






『だったらこんな所、こんな時間に制服でウロウロするなよ…。』







何も繁華街をうろついてるわけじゃないんだから、いいじゃん!






「…だって…会いたくなっちゃったんだもん…。和弘の顔が見たかったの。」







ぐしゃぐしゃにされた髪を手櫛で整えながら言った。
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