ヒミツの恋【短編集】
『何でしょう?気にせず何でも言って下さい!』





答える和弘にお母さんは






『ありがとう…。裕美が落ち着くまで…側にいてやってくれるかしら?』






胸の前でぎゅっと両手をにぎりしめてただ立ちすくむ私をみながらお母さんは和弘に頭を下げて私の事をお願いして、家をでて行った…。







この時は嬉しいとか2人きりになって緊張するとか、それどころではなくて、
ただ、おばあちゃんが無事であると電話が来る事を、ずっと…祈っていた。







そんな私の隣でずっと…







『大丈夫だよ…』





何度も何度も…優しく声をかけ続けてくれた和弘…





和弘の大丈夫って言葉のお陰で私は、泣いたりせずにいれたんだと思う。








お母さんからおばあちゃんが、救急車で運ばれたのは夜寝る前に急に目眩を訴えたからだと電話が来たのはもう真夜中の事だった。






病院へ着く頃には平気だと言っていたらしく、それでも一応検査入院することになったからと言われ、とりあえずはホッとする。







電話を切った私はようやく…安心してたくさん泣いた。
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