ヒミツの恋【短編集】
そんな私の頭を優しく撫でてくれる和弘の存在をようやく意識して緊張し始めた私…






…狡いかもしれない…
こんなの卑怯だってわかってる。







けど私の口からは止められずに言葉が出ていた。







「…一人になりたくないから、まだ帰らないで下さい…」





そうして、和弘の胸の中へと飛び込む。







極度の緊張から震える私を和弘は、あやすように背中を撫でてくれた。






『裕美ちゃんが落ち着くまでちゃんといるから…。おばあちゃんも、どこも悪くなくてきっとすぐに退院できるさ。』






おばあちゃんがまだ心配で震えてるんだって思ってる和弘に胸が痛んだ…







心の中でおばあちゃんと和弘にたくさん謝って…私は和弘の胸の中で…







寝てしまった…
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