ヒミツの恋【短編集】
『…は?…えっと…裕美ちゃん?』






戸惑う和弘を泣きながら見つめる。






「谷口さんが…好きなの。土下座するくらい悪いと思ってるなら…申し訳ないと思っているならッ…私の初めて奪ったんだから…ちゃんと付き合って下さいっ!!」







私はズルイ…





奪ったも何も、自分からしておいてその事に和弘が気付いていない事を利用して、こんな責任は全部和弘にあるって言い方しちゃって…







『裕美ちゃん…本気で言ってる?』







「…冗談でこんな事言いませんっ!」








『俺…裕美ちゃんとは10歳近く年離れてるんだよ?』







「…それが何ですか?」








『…後悔しない?』







後悔?







「するわけない!」









泣きながら、言う私に和弘は小さく息を吐いて、そして…







『部長にばれたら、俺…殺されるかな?』







そう言いながらも、私をそっと抱きしめてくれた…
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