ヒミツの恋【短編集】

門限

そんな事を考えながら夕食を食べ終えた私は、さっさと部屋へ戻り和弘へ電話をかけてみようと鞄から携帯を取り出した。







そんな時タイミングよく鳴る携帯電話。






着信は、…和弘！！






嘘！以心伝心？







「もしもし！」







勢いよく電話に出た私の耳に届く愛しい人の声…






『…声…でかいよ…耳がキーンってしてる。』






「ごめんね。和弘から電話なんて初めてで嬉しくて！」







そう答える私に和弘は、しばし無言…






『…そうだっけ？…いや俺からもかけたりしてるでしょ。』







私がかけて、出ない時とか、後でかけなおしてくる事を言ってるんだろうけど…違うよ…。






私からかけて、かけ直してもらうんじゃなくて、和弘から私に電話をかけてくれたのは、今が初めての事なんだよ？





その事が私がどんなに嬉しい事なのか、和弘は知らないでしょう？