ヒミツの恋【短編集】
部屋に戻って、クローゼットを開けて掛けてある日曜日の為のワンピースと上着を手に取り見つめる。
…夜とか、車から降りても寒くないようにこのジャケットにしたのにな…
そう思うと、悔しくて涙が零れてきた。
コンコン…
控え目にドアをノックしてお母さんが入って来た…
私は背中を向けて、手の甲で涙を拭う。
『裕美…お父さんも悪気はなかったのよ。裕美の為にって…』
「わかってるわよ!」
わかってても納得なんてしたくないの。
お母さんが私へ近寄ってくる気配がした。
『可愛い洋服ね。もしかして日曜日の為の洋服かしら?』
「………。」
『…もしかしてお友達とじゃなくて、誰かとデートだった…?』
「…そうだよ…。初めてのデートだから…。だから…ッ…」
…夜とか、車から降りても寒くないようにこのジャケットにしたのにな…
そう思うと、悔しくて涙が零れてきた。
コンコン…
控え目にドアをノックしてお母さんが入って来た…
私は背中を向けて、手の甲で涙を拭う。
『裕美…お父さんも悪気はなかったのよ。裕美の為にって…』
「わかってるわよ!」
わかってても納得なんてしたくないの。
お母さんが私へ近寄ってくる気配がした。
『可愛い洋服ね。もしかして日曜日の為の洋服かしら?』
「………。」
『…もしかしてお友達とじゃなくて、誰かとデートだった…?』
「…そうだよ…。初めてのデートだから…。だから…ッ…」