ヒミツの恋【短編集】
さっと人が一人角を曲がる所を目撃する。




あれ…?




今…そこの角に立ってた人…和弘っぽくなかった?




…いやまさかね…。




会いたくて幻覚見ちゃうようになってきた?




都合よく和弘がこんな所にいるわけないもんね…





一応、もしかしたら…って思って見掛けた角を曲がって確認してみるけれど…





そこには誰もいなくて…






「やっぱり、幻覚か…」





本当は…すごく会いたいの。





顔が見たい。声が聞きたい。





でもあんな態度で電話切って…それから電源もいれてないし。





今更、私から連絡なんてしたくても出来ないよ。




和弘は、少しか寂しいって思ってくれてる?





それとも、せいせいしてる?





聞きたいけれど、ホントの気持ちを聞くのが怖いの…




このまま…自然におわっちゃうのかな…





朝よりも沈んだ気持ちで家までトボトボと歩いた…
< 174 / 218 >

この作品をシェア

pagetop