ヒミツの恋【短編集】
あのヒト、こないだ和弘と一緒にいた女のヒトだ…





誰ときてるのかと目で追うけれど、そのヒトは店内の席に着くことなくトイレの目の前にあるドアを開けて中へと入っていった。






今入っていった所はどこに繋がっているの?







不思議に思いながらもケーキメニューを手に取って何にしようか選んでいると小林君が、戻って来た。






『休憩オッケーって言われたんだけど、店内じゃ示しつかないから、個室使えってさ!』






「え?個室って?」






尋ねる私を立ち上がるように手で促しながら小林君は話し始める。





『ここさ、小さくてガラス張りだけど個々に別れた個室も3つだけあるんだ!』





「そうなんだ。…でもガラス張りなら丸見えで、かえって今の席の方が目立たないんじゃないの?」
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