ヒミツの恋【短編集】
『どうせそろそろ皆戻って来てうるさくなんだろ?いいよ別に…』





「あ…あのっ!!」





私は、ポケットに手を入れて冷え○タを取り出した。





「こ、コレ…。貰えないよ…。中川君は悪くないから…」






『…迷惑だった?』





私はブンブンと頭を横に振った。





「そうじゃなくてっ!!…転んだのもおでこぶつけたのも、全部私が鈍臭いからで、中川君のせいじゃないから。だから…」





すると中川君は、立ち上がって、私の方へとやって来て、冷え○タを受け取り、おもむろに一枚取り出した。






『…手、出して。』





「へ?」






中川君は私の腕を掴み、ブラウスをまくって、今ぶつけたばかりの腕にベタっと貼付けた。






「つ、冷たっ…」




『アザになる前に貼っとけ。』






「あ、ありがと…」
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