ヒミツの恋【短編集】
和弘に連れてかれたのは、小林君のバイト先の隣にあるパーキングだった。






一台の車の助手席前で、立ち止まる和弘。







『乗って。』







「…イヤ…。」







俯いて一言、泣き声にならないように頑張って言った。






『…小田切!!』






そんな時私を呼ぶ声がした。
声のする方を見上げるとそこには小林君の姿。





泣き顔の私を見て驚いた顔をする。








『…ちっ。何だよお前…。何の用?今取り込んでんだよ!』





聞き慣れない乱暴な言葉が聞こえた…







今喋ったのって…和弘だよね…?






『え?何って…その…コレ鞄から落ちてたみたいで、見かけたから届けに…』






小林君の手には私の携帯が握られていた。
電源を切りっぱなしの役にたたない私の携帯電話…
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