ヒミツの恋【短編集】
私はソレを受け取ろうと、和弘から逃れるように抱かれてた腕を振りほどき、小林君の元へと駆け寄る。






「ごめんね。ありがとう…」





受けとる私に小林君は和弘をチラチラとみながら聞きずらそうに、







『あの…大丈夫?』






声をかけてくれた。






大丈夫なんかじゃないよ…見てわかるでしょう?







何も答えない私に後ろから和弘の声が聞こえて来た。





『おい、用が済んだならとっとと行けよ。取り込み中って言ったろ?』






『あ、ハイ…。じゃあね小田切…』






そそくさと居なくなろうとする小林君に私は縋るように手を延ばして引き止めてしまった…







『へ?お、小田切!?』







小林君が困ってるのは十分承知してるよ。






けど…置いてかないで。






なんでか知らないけど、和弘…すごく怒ってる。






言葉の荒さに怒りが滲み出てるもの。
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