ヒミツの恋【短編集】
何も言ってくれない和弘…




ただ黙って私の投げ付けた鞄を、ちらばった中身を拾って近寄って来る…。





『おい。』





和弘が声をかけたのは私じゃなくて、私の側に立つ小林君にだった…





『…誤解してた。巻き込んだみたいで悪かった…』





そうして頭を下げる…





『い、いえ!!あの、俺バイトの途中なんで…』





『ああ…もう行っていいよ…。ホントすまなかった…』






『小田切…ちゃんと話し合えよ。じゃあな。』






逃げるように走ってく小林君を…頭を下げたままの和弘を見ているだけの私…
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