ヒミツの恋【短編集】
『…誤解してた。アイツとの事…。』





「いいよ…。和弘には関係のないことでしょう?」





結婚…するんだもんね…





「…彼女待ってるんじゃないの?」






私との事があの女のヒトにバレてこじれてしまえばいいのに…





そしたら、和弘は私だけを見てくれるのかもしれない…





『ヤベっ忘れてたっ!ちょっと待ってて!』






そうして携帯を取り出してかけ始める。





…期待するのも馬鹿だったみたい。





私の鞄を持ちながら話し始める和弘からそっと…気付かれないように少しずつ離れる。





けれど…






『どこ行くの?待ってろって言ったよね?…』






携帯で会話しながら、私の手を掴む和弘。







そして携帯相手に怒鳴り始めた。






『だからっ!悪いと思ってるよ!けど…俺も今一大事なんだよっ!…大事ななモン失う大ピンチなんだって!…ああ…悪い…後は頼んだ…。』
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