ヒミツの恋【短編集】
数十分後には車は住宅街の中にあるひとつの一人暮らし向けの小綺麗なマンション前にある駐車場へと止まった。





ここって…







「…和弘の家?」






『着いたから、降りて。』






「…やだ。話なら…車の中でも出来るでしょう?」





そう答える可愛くない私…





だって…やだもん…







和弘の部屋に…あの女のヒトを思い出させるようなモノとか置いてあるかもしれない…






女の影を匂わすようなモノがあったら…イヤなの。






座ったまま膝の上で拳を固めて降りる意思がない事を態度で示す。





『はぁ…。』





和弘のため息が大きくて、思わずびくついて肩が揺れてしまう…。
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