ヒミツの恋【短編集】
私、高橋まどかは自分でもわかるくらい鈍臭い。




何か考え事をしていると、本当に周りが見えなくなってしまう。




何もないところでコケるなんて日常茶飯事。




だからいつも鞄の中には絆創膏は欠かさず入れていた。




なのに、家庭科の調理実習中に、ピーラーでじゃがいもの皮を剥いていた時、自分の手の皮まで剥いてしまって…




家庭科室までは鞄持って行かないから、今こうして保健室へと来たわけなんだけど…






『あっ…ん…』





ど、どうやら誰かが真っ最中らしくて、完全に固まってしまった私…





このままここに居たっていけない事くらいわかってる。




教室へ戻れば、鞄の中に絆創膏があるのも知ってる。




でも、どうしても…





動いてくれない私の体。






な、何でこうなるのよっ!!
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