ヒミツの恋【短編集】
だけど泣きながら、震える手で外そうとしてもなかなか外れてくれなくて、そうこうしてる内に、和弘が私の手を握った。







『今の話…ホント?』






聞かれて、頷くだけの私…






すると和弘は…







『なんだ…そうだったんだ…俺てっきり、寝ぼけながらも気持ち抑えらんなくて手を出しちまったのかとばかり…』








「…怒って…ないの?」







そう尋ねる私にこの日初めて…優しく笑いかけてくれた。





『…怒ってるよ?』







笑い顔とは裏腹の言葉に、言葉を失った…
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