ヒミツの恋【短編集】
『…安心されても困るんだけど?』







「え?どうして?」






胸の中から顔だけ上げて見上げると、少し困った顔をする和弘…






『安心なんて言われたら…大人の男としては…がっつけないだろ?我慢しなきゃって思うだろ?』





頬が熱くなるのがわかる。







『そんな顔で見られたら…我慢出来ないって…。だから今までだって俺からは誘わないように、努力してたのに…。極力会わないようにして自制してたのに…』





「…どうして今日は誘ってくれたの?…どうして…時間がないと会うのやめようなんて言えたの?」







尋ねる私から、気まずそうに目を逸らす和弘の顔は、心なしか赤く見える…?
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