ヒミツの恋【短編集】
固まったままの裕美を見て我にかえる。






「ご、ごめん…」





慌てて謝るけれど、裕美は私の後ろのある一点を見つめて動かない…





不思議に思ってその方向を振り返り見てみると…





「あ…」






中川君が立っていた…






今の話…聞かれてた!?







「あ、あのっ中川く…」






『恐がらせてたみたいで…悪かったな…』






やっぱり聞かれてたっ!!





「―ッ!あのねっ!私っ…」






中川君の方へ一歩近寄り、話をしようとした。





けれど…






『…もう話しかけてくんなっ』







そう言って、階段を降りて行ってしまった…
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