ヒミツの恋【短編集】
『今日は随分と返却分あるな。』




そうして、片付けを手伝おうとした時、バタバタと廊下を走る数人の足音が静かな図書室に聞こえて来た。



『ヤベっ!』




そうして私の手を引っ張り二人で受け付けカウンターの中へと入り、私を椅子へと座らせる。




そして彼はその椅子とカウンターとの間に窮屈そうに身を隠した。




ガラっ






勢いよくドアが開き、一学年先輩の綺麗に化粧と髪の毛をクルクル巻いた女子生徒が数人中をキョロキョロと見渡した。





『ねぇ!今誰か来なかった?』





1番派手な化粧をした先輩と目が合い声をかけられる。






「…誰も来てません…」






答える私に、一緒にいた他の先輩がその先輩に話しかけた。





『また見失っちゃったね…。渉、どこに行ったのかな?』





そうして、図書室内を少し探し始める。






『渉と図書室って有り得ないよね。他、探そう!』
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