ヒミツの恋【短編集】
『いい加減隠れて付き合うの、辞めよう?』






私は俯いて、ただ一言…






「ごめんなさい…」






それしか言えなくなってしまった…





『真由美には嫌な思いさせないように、しっかり護るから…』





渉の口調で真剣に言ってくれてるんだってわかる。






けれど…






「…ごめんなさい…私、怖い…」







渉は、ひとつため息をついてかがんでいた姿勢から立ち上がり少し離れた所にあるもう一つの椅子に腰掛けた。





私は、嫌われたかもしれないと焦り顔をあげる。






『…残念…ご褒美あげられないよ?』







まだ目を細めて優しく笑いかけてくれてるのを見て、嫌われていないと安堵のため息を吐いた。
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