ヒミツの恋【短編集】
知ってて…それでも私とネクタイを交換したいと言ってくれてる…
「…私もつけないで…持ってるだけでいいなら…」
そう言った時、少しだけ…ほんの少しだけ、悲しげな顔を見せた。
けれどまたすぐに目を細めて笑い
『鞄の中とかじゃなくて、肌身離さず持っててね。』
そう言ってくれた。
ごめんね、弱くて…
勇気のない私なんかを好きでいてくれて、…ありがとう…
『そろそろ行くよ…。真由美も、早く帰るんだよ?人気の無い道は通ったりしないで…』
「わかってる。私は大丈夫よ。」
誰が見てるかわからないから、当然一緒にも帰れない。
渉はいつも私の心配をするけれど、私の事を襲う人なんかいないよ。
『明日も、いる?』
「うん。明日も当番よ。」
『じゃあ、また明日ね。』
もう一度触れるだけのキスをして渉は図書室を出た。
私は渉の匂いのするネクタイを綺麗にたたんで、スカートのポケットにしまい、図書室を後にした…
「…私もつけないで…持ってるだけでいいなら…」
そう言った時、少しだけ…ほんの少しだけ、悲しげな顔を見せた。
けれどまたすぐに目を細めて笑い
『鞄の中とかじゃなくて、肌身離さず持っててね。』
そう言ってくれた。
ごめんね、弱くて…
勇気のない私なんかを好きでいてくれて、…ありがとう…
『そろそろ行くよ…。真由美も、早く帰るんだよ?人気の無い道は通ったりしないで…』
「わかってる。私は大丈夫よ。」
誰が見てるかわからないから、当然一緒にも帰れない。
渉はいつも私の心配をするけれど、私の事を襲う人なんかいないよ。
『明日も、いる?』
「うん。明日も当番よ。」
『じゃあ、また明日ね。』
もう一度触れるだけのキスをして渉は図書室を出た。
私は渉の匂いのするネクタイを綺麗にたたんで、スカートのポケットにしまい、図書室を後にした…