ヒミツの恋【短編集】
『渉ぅ!ネクタイはどうしたのよぉ!!』




甘ったるい声で話す内容に、渉の名前とネクタイって単語が入ってて、思わずその方向へと目を向けてしまった。








話しかけていたのは昨日図書室に渉を探しに来てた先輩、とそのお友達…






足を止めて見てた私に裕美も自然とその方向を見る。





一瞬…渉と目が合った。






けれどすぐに逸らされる視線。






ズキン…






わかってる。秘密にしたいとお願いしたのは私の方だって…






渉は…私の為に目を逸らしてくれたんだって…





胸を痛めて、ショックを受けるのは、おかど違いなのに…






逸らされた事がショックで俯く私は、すごく勝手だね…
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