ヒミツの恋【短編集】
『渉のネクタイもつけずに新しいネクタイ買い直してたよ。…あんな子じゃ…渉とは釣り合わないよ!』






違う…






私は…そんな事…一言もいってない!!






「嘘言わないでっ!!」





気付けば、飛び出して渉達の前に出てた。





「そんなの…でたらめよっ!!」





驚いた顔の先輩。




けれどそれも一瞬の事で…渉の腕を掴み、私を指差して言う。





『私は嘘なんて言ってないわ!だってほら、ネクタイ…新しいの買ってつけてる。』





「これはっ…」






ヘタに騒がれない為…





渉との事、騒がれずに付き合うため…





私は…ネクタイこそ買ったけれど、自分の気持ちだけは、それだけは…偽らなかった。






偽れなかった。







だから






渉…






「信じてくれる…よね?」
< 83 / 218 >

この作品をシェア

pagetop