ヒミツの恋【短編集】

『…真由美は？』





まどかに問われて私はこたえる。






「私は、何もないよ？知ってるでしょう？」






目を細めて笑って見せる。






『…何もないなら…どうして…

どうしてそんな哀しそうに笑うの？』






まどかの言葉に、私は言葉を詰まらせてしまう。





「え…？何言って…」







ちゃんと笑えてるよ。トイレに行くたび、ちゃんと笑えてるか確認してたんだから…






『…そんな作り笑いやめなよ！…わかるんだよまどかも私も…。真由美が泣きたい位何か抱え込んでるんだって…。…見てればわかるんだよ？』






『真由美…私や、裕美じゃ…役不足？真由美が苦しい時…私達じゃ相談に乗れないのかな？』






裕美の言葉に…まどかの言葉に…
作り笑いが出来なくなる。






「…そんな事…ないよ…
ごめん…ね…黙ってて…」





私…馬鹿だったね…
こんなにも心配してくれる友達がいるのに…





二人になら渉の事言っても大丈夫だったろうに…






私の事心配してくれる二人にまで…黙って…隠して…