ヒミツの恋【短編集】
『真由美は渉先輩は悪くないって言うけど…私は…やっぱり渉先輩がいけないと思う。
だって“護る”って言ってくれたんでしょ?なのにあんな騒ぎになっても、気付かないで…揚げ句その先輩が言った嘘を信じちゃってさ…。そんなの酷いよ…』





怒る裕美の剣幕がすごくて、さっきまで渉を非難してたまどかが、手の平を返すように渉を弁護し始めた。






『私も裕美と同じ気持ちだけど…
けど…最近の渉先輩…様子おかしいよね…』








「様子が…おかしいって?どういう事?」






『見た目は変わらないと思うんだけど、なんていうか…元気がないっていうか…輝いてないというか…
うまくいえないんだけど、“恰好良い!”オーラが無くなったっていうか…。真由美にネクタイ返されて凹んでるんじゃない?』







『まどか…説明下手すぎ…。憔悴しきってる感じかな?最近見かけたけど、かなり思い詰めた顔して歩いてたわ。…あの追っ掛けが近づけないくらいにね。…後悔してるのかもね。』
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